Raffaello
1483年-1520年(37歳)
ミケランジェロやダヴィンチと共に盛期ルネサンスの三巨人の一人。他の画家の特徴を巧みに取り入れて昇華させることを得意とし、師匠のペルジーノを始め、ダヴィンチやミケランジェロの絵画技法をも取り入れた素晴らしい絵画を多く残した。
Firenze

ヒワの聖母(1507年)
所蔵:ウフィツィ美術館
レオナルドが「岩窟の聖母」で用いたピラミッド図法を取り入れた聖母子画の名作。ヒワはキリストの受難の象徴。やや聖母の足の描写が不自然な「ベルヴェデーレの聖母」に比べ、楕円形を採用したことにより、より自然な描写になっています。

ラ・ヴェラータ(1515-16年頃)
所蔵:パラティーナ美術館
モデルはラファエロの最愛の女性フォルナリーナと言われていて、「小椅子の聖母」と同じモデルです。ラファエロの女性の肖像画の中でも、とりわけ存在感のある傑作です。

小椅子の聖母(1513-14年頃)
所蔵:パラティーナ美術館
ラファエロの最も名高い聖母子画の一つ。柔らかい暖色系で描かれた聖母子の情愛が画面から伝わってきます。
Rome

十字架降下(1507年)
所蔵:ボルゲーゼ美術館
人物像や構図について、ミケランジェロの作品を参考にしたと思われる名作。特に右端の聖母を支えようとする女性は、トンド・ドーニの聖母と同じ姿勢で描かれています。

キリストの変容(1518-20年)
所蔵:ヴァチカン美術館
ラファエロの遺作となった作品。画面は上部がキリストや使徒らの「キリストの変容」、下部が悪魔に取りつかれた少年の治癒物語と二つの物語が描かれています。ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画に描かれたダイナミックなポーズや感情表現、さらに光の効果を巧みに用いたことにより印象深い作品に仕上がっています。

フォリーニョの聖母
所蔵:ヴァチカン美術館

ボルケーゼのミサ
所蔵:ヴァチカン美術館

聖体の論議
所蔵:ヴァチカン美術館

アテネの学堂
所蔵:ヴァチカン美術館
人物の関係性の表現にレオナルドの「最後の晩餐」の手法を取り入れたラファエロの代表作。遠近法で描かれた建物と調和のとれた自然な人物表現は、盛期ルネサンスの頂点ともいえる作品になっています。

神殿から追放されるヘリオドロス
所蔵:ヴァチカン美術館
ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画の描写を取り入れ、あえて調和を崩すことにより物語性の描写をより重視した作品になっています。

聖ペテロの解放
所蔵:ヴァチカン美術館
ラファエロ独自の技法となる光を巧みに使ったドラマティックな表現がなされている作品です。

ボルゴの火災
所蔵:ヴァチカン美術館
Milano

マリアの婚約
所蔵:ブレラ美術館
ラファエロが20歳前後に制作した作品。
師のペルジーノの作品を剽窃の天才といわれた模倣力で借用しているものの、右下の人物の動きや奥行きの表現に独自性が見られます。