Tiziano
1488年-1576年
ティツィアーノはルネサンス期のヴェネツィア派を代表するだけでなく、ミケランジェロなどの三巨人に匹敵する偉大な芸術家です。その筆遣いと色彩感覚は卓越しており、晩年の様式は印象派を先取りしている感すらあります。
Venezia

聖母被昇天(1516-18年)
所蔵:サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会
ティツィアーノの芸術的卓越性を決定づけた記念碑的傑作。昇天していく聖母マリアを囲む神と天使、地上で奇跡に驚く使徒たちに画面が二分され、聖母と使徒の赤い衣が三角形を形作って両者を繋げています。人物表現の雄大さや聖母の優美さ、鮮やかな色彩が結合し、鑑賞者の目を引き付けて離しません。

カ・ペーサロの聖母(1526年)
所蔵:サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会
ひざまずくヤコボ・ペーサロと聖ペテロ、聖母を斜めに配置することで、正面を向いた伝統的な祭壇画と、横顔で向き合う奉納画の形式が統合され、より臨場感が増しています。また背後の円柱は教会内の円柱を模していて、教会内から画面が続いているような錯覚を与えるようく付されています。

受胎告知(1564-66年頃)
所蔵:サン・サルヴァドール教会
ティツィアーノ晩年期の傑作。晩年の彼の絵画は後の印象派を先取りするような形態があいまいなタッチになり、特に右上部分では絵の具が混ざりあって黄金色の光に変化したような印象さえ与えます。

聖母マリアの奉献(1534-39年)
所蔵:アカデミア美術館
盛期ルネサンス絵画の特徴ともいうべき、遠近法で描かれた建築物と調和のとれた自然体の人物が描かれた中期の作品。

ピエタ(1570年代中期)
所蔵:アカデミア美術館
ティツィアーノ最後の作品で、たいまつを持つ天使は弟子によるもの。陰鬱な色調がメインとなり、厳粛な雰囲気を醸し出しています。また赤い服を身にまとった人物は、ティツィアーノの自画像といわれています。
Firenze

ウルビーノのヴィーナス(1538年以前)
所蔵:ウフィツィ美術館
婚礼の祝いのための私的な目的で制作されたと考えられているが、あまりにも官能的なヴィーナスの姿態は後世の批評家から批判がでました。

悔悛するマグダラのマリア(1533年頃)
所蔵:パラティーナ美術館
元娼婦でキリスト教に回心したマグダラのマリアを描いた、美人画のカテゴリーに入る絵画。長く優美な髪が炎のように彼女の豊満な身体を包み込み、官能性と敬虔さの両方を感じさせる作品になっています。

貴族の肖像(若き英国人、または青い目の男)(1540年代前半頃)
所蔵:パラティーナ美術館
人物の内面描写にも優れ、抑制された近代的知性を感じさせる肖像画の傑作。
Rome

聖愛と俗愛(1514年)
所蔵:ボルケーゼ美術館
ティツィアーノの美人画のシリーズに属する作品。
左側の女性が聖愛の寓意、右側が俗愛の寓意と感がられています。

キューピッドに目隠しをするヴィーナス(1560-65年頃)
所蔵:ボルケーゼ美術館
晩年の神話画の中で最も有名な作品。